カセット金型とは

プラスチックやゴムなどをの材料を流し込む射出成形金型において、一般的な金型と比べて製造プロセスを簡略化し、小規模な生産や試作品の製作に適した金型です。
通常は金型の多くの部分を機械加工で製作しますが、カセット金型は共通のモールドベースをサイズ別に用意しておき、中にセットする「カセット」の部分だけ設計・製作します。また、そのカセットも基本的にはアルミ素材を加工するため、材料費も安く、加工時間短縮にもつながるので、短納期で金型を製作できます。
以前は、主に試作品を製作するために作られてきたカセット金型ですが、少量多品種での生産が主流になった現在では、小ロット生産の現場においても使われるようになってきています。

カセット金型

カセット金型のメリット

1、金型製作コストの削減

金型製作コストの削減

一般的な金型に比べて材料の使用量が少なく、一般的にアルミで大量の金属材料を使用する必要がないため、製作コストを最大で50〜70%削減でき事もあります。使用量だけでなく、本金型で用いる工具鋼に比べ、カセット金型では加工しやすいアルミ合金やプリハードン鋼を使用することが多く、材料コストをさらに低減できます。
また、加工時間も短くなるので、加工コストも削減できます。

2、納期の短縮化

納期の短縮化

カセット金型はシンプルな製造プロセスを採用しているため、加工から成形まで一般の金型が数か月要するものもあるのに対し。1~数週間で完了できます。
成形の現場でも、モールドベースを固定したまま、カセット部のみを交換するため、交換作業にかかる時間も大幅に短縮されます。これにより、生産ライン稼働率の向上にも柔軟に対応できます。

3、省スペース化、省メンテナンス

保管スペースの省スペース化

共通のモールドベースはひとつだけ保管し、製品ごとの入れ子のみを収納すればよいため、従来複数の金型を保管するケースに比べ、金型保管スペースを大幅に削減できます。主に製品を成形するカセットの部分だけ摩耗や破損が起こるので、必要部分だけの修理や交換が可能なため、費用を抑えつつ迅速な対応が可能です。